六ツ石山~鷹ノ巣山~七ツ石山~雲取山往復2泊3日

膝の治療開始後、初のテント泊ハイキングに行ってきましたー

今回は水根無料駐車場に車を止めて、
(1日目)水根無料駐車場〜六ツ石山〜鷹ノ巣山〜鷹ノ巣山避難小屋泊
(2日目)鷹ノ巣山避難小屋〜七つ石山〜雲取山往復〜七ツ石小屋テント泊
(3日目)七ツ石小屋〜鴨沢バス停(バスで水根無料駐車場へ)

⚫︎コース

⚫︎主要装備
(ザック)グレゴリー パラゴン58
(テント)ノルディスク テレマーク2
(シュラフ)マウンテンハードウェア― ハイパーラミナスパーク
(シューズ)スポルティバ トランゴSエボ

⚫︎食料
(朝食)フルグラ、ハーブティー、魚肉ソーセージ
(昼食)アルファ米ピラフのおにぎり(前日夜に作る)
(行動食)ブラックサンダー、栗あんパイ(小倉あんパイ)、トレイルミックス、一口ようかん
(夕食)アルファ米白米、フリーズドライのカレー、粉末ポタージュスープ、魚肉ソーセージ、サラダクラブ ライトツナ

⚫︎1日目
珍しく寝坊してしまい、歩き出しが1時間遅れの8:00になる。
毎回前日の準備が遅くなって寝不足になるのは慣れっこになってきているので、出発前日も早く寝られるようになんとかしないと。
前日夜はガーミンのinReach miniのプリセットメッセージをサイト上で変えたのにパスワードが違うというメッセージが出て更新ができなかった。
毎回何かしらのトラブルがあるんだよなー。

水根無料駐車場で

台風19号の影響がここにも。
特に日原街道が長期間通行止めなっていてたいへん。

今回の1日目は予定通りなら鷹ノ巣山避難小屋に13:00到着予定なので、1時間遅れの14:00到着ならぜんぜん問題ない。
水根からは以前水根沢林道から上ったことがある。六ツ石山に向けて上り始めると、この登山道は一度下ってきたことがある道だと思い出す。

まだ影が長い

林道から六つ石山への登山口

ひたすら六つ石山への道標に従い上る

奥多摩湖が見える

植林された杉の林を上っていくと、広葉樹林に変わる。
傾斜が緩くなり、広葉樹は葉が落ちていて明るい道になり、広い尾根を歩くようになる。
富士山が木々の間から見える。

登山道の左が広葉樹林、右が針葉樹林。

紅葉はここまで

富士山がだんだん見えてくる

広くて明るい尾根道

六ツ石山に到着

六ツ石山を超えて石尾根に合流する。
ここからは北風が冷たくて、R1ジャケットを着てきたことに感謝する。
メリノウールのネックチューブで顎まで覆いビーニーを被ってちょうどいい。
結構な傾斜を上ると「カラ沢ノ頭」に到着。
ザックを下ろしてランチタイム。おにぎりを食べる。
天気もいいし、景色もいいし、一人で静かな自然の中に来られて、おにぎりが食べられて、なんてぼくは幸せなんだと思う。

こんな木がある⁉

カラ沢ノ頭

こんなに景色のいいところに来られて、ランチのおにぎりを食べられて、幸せ!

奥多摩湖がず~っと下に見えて少し感動。

鷹ノ巣山への上りで見事に見える富士山
鷹ノ巣山山頂
鷹ノ巣山からの下りで南東方面の景色。

鷹ノ巣山から下ると鷹ノ巣山避難小屋に到着。
予定通り14時過ぎ。
先客がいたらテントを張ろうと思っていたが、既に12時に着いていたという男性と話してみたらいい感じの人なので避難小屋に泊まることにする。
3時半ごろにおじさまが一人、その後4時過ぎてからオーストラリア人の若者が一人到着して、結局4人で泊まることになる。
最後に来たオーストラリア人がちょっと心配な若者で、だいたい避難小屋に入ってきた時からドアは閉めないし、よく見てみると普通のスニーカーだし、えらく軽装で、シュラフは持ってるけどマットがないというので、ぼくが使おうとしていた避難小屋の銀マットを使わせてあげる。
焚火で生めんの喜多方ラーメンをゆでて食べようとしているので、ぼくがガスでやってあげようと提案してもどうしても焚火がしたいらしく、寒い外で時間をかけてやっていた。

避難小屋のぼくのコーナー

ところで、夕方早めの時間にヘッドランプが故障してしまい、還暦の誕生日祝いにもらったミニヘッドランプで難を逃れる。
どんなプレゼントもうれしいけど、こんなに役立つありがたいプレゼントはほかにない。
問題はボタン電池のミニヘッドランプが何時間持つかだ。
故障したメインのヘッドランプはモンベルのコンパクトヘッドランプで、一番長時間持つ電球色を選択すると80時間。替えの単3アルカリ電池が3つあるけど故障となるといくつあっても役に立たない。
ランタンは持たないのでヘッドランプをランタン代わりにも使うため、日が暮れてから寝るまでと、朝起きてから明るくなるまでは点けっぱなしにする。
ふだんはほとんど開かないリペア&サバイバルキットを調べると、もう一つ予備のヘッドランプが見つかる。ジェントスのクリップライトとヘッドランプ兼用のタイプ。つけてみると結構明るいのでこれで2晩大丈夫だとホッとする。
ぼくはヘッドランプでは少数派の単3電池1本派で(一般的には単4電池3本使用が多い)、今回のように故障を考えるとスペアの電池を使えるので同じ電池用のヘッドランプを2つ持つのがベストだと思った。
帰ってから調べてみると、単3電池1本使用の他社製品でモンベルのコンパクトヘッドランプに比較しうるのは、釣り用(アングラ―用?)に販売されている冨士灯器 ZX-S250ぐらい。
防水は IPX5 と少し劣り、価格が4,000円と高いものの(モンベルはIPX6、2,420円安い!)、明るさがスイッチ長押しで無段階調節できて スペック上は最大光量 100ルーメンで6.5H点灯する。(モンベルのコンパクトヘッドランプの最大光量は45ルーメン)
モンベルのコンパクトヘッドランプと富士灯器 ZX-S250 と両方持ち歩くことにしようかな。

ぼくにしてはめずらしくなかなか寝付けなかった。他人のいびきもご愛敬。思ったより寒くて途中で起きていろいろ着込んだ。

⚫︎2日目
SUUNTOのアラームで4:00ぴったりに目が覚める。
みんなが寝ている中フルグラの朝食を済ませて (最近オートミールからフルグラにしたけど意外に食べでがあって美味しい!) 、アタックザックを背負って6:30に霜の降りた登山道を鷹ノ巣山へ。
期待していた通りさわやかで景色がよくて気持ちのいい朝。
その上ザックが軽い!

鷹ノ巣山からの富士山。朝はちゃんと雪が白く見える。
豊田さんに撮ってもらう

山頂に一足先に着いていた豊田さん(前日最初に避難小屋に着いていた感じのいい人)に合流。
彼はなんと地下足袋をはいている!
聞くところによると、膝が痛くなって足の使い方の矯正のためにはき始めて経過良好とのこと。
ぼくが今一番聞きたい情報ではないか!
早起きは三文の徳というけれど、今朝の徳は景色も情報も三文どころではない。
地下足袋はホームセンターで売っている足の防護用の鉄板入りのもので2,000円程度。
ぼくは履きならしの意味もあって、少々オーバースペックのスポルティバのトランゴSエボ。
定価46,200円。重量片足770g。
価格23倍、重量はたぶん7~8倍。
トランゴSエボのカモシカスポーツの値引き分で地下足袋が2足買えてしまうではないか!
同じ膝の痛みを抱えた2人なのに、なぜこうも逆方向に来てしまったのか。
豊田さんには根掘り葉掘り聞いてしまいました。
冬向きではないというので、春の日帰りから試してみようかな。

朝日を眺める豊田さんと富士山

豊田さん、ありがとうございました!

鷹ノ巣山山頂の豊田さん

鷹ノ巣山避難小屋。
ありがとうございました。

避難小屋に戻ってパッキングを済ませて8:00出発。
オーストラリア人の若者はまだ一人で寝ている。大丈夫なのだろうか。
高丸山の巻き道は通行止めだというので尾根道を行く。
何度もここは通っているが、いつも巻き道を通っていて、尾根道は初めて歩くことに気づく。
巻き道よりぜんぜん楽しい。
台風被害のおかげでいい道を教えてもらっている。

日陰名栗峰

日陰名栗峰の山頂。
奥に見えるのは飛竜山。

雪をいただく南アルプス

七ツ石山への上りが始まると、急に登山道の雰囲気が変わる。
というのも鴨沢からの登山者が雲取山に向かうので、登山者が急に増えるからだ。
ここまでは孤独感、というより独り占め感というのか、自然の中で自由にやれる開放感のようなものを感じていたが、ここからは常に人が通る登山道を歩く。
ちょっと残念な、戻ってきちゃったなって感じ。

七ツ石山への上り

こうしたパネルがいくつもあって平将門の敗走ストーリーがつづられている。
真剣に読むと悲しい話なので…

雲取山への最後の上り。
頂上避難小屋が見える。

雲取山山頂

頂上避難小屋から望む富士山
雲取山頂上避難小屋で休憩。居心地がよくて離れがたい。

雲取山山頂避難小屋には鷹ノ巣山避難小屋で一緒だったおじさまが既に到着していて、七ツ石小屋でテント泊するぼくの予定を知っているので、
「テントは寒いよ~。ここに泊まっていきなよ。夜景もきれいだよ~」
と引き止めるし、あまりに景色がよくて、テラスの居心地がいいので離れがたかったが、意を決して出発。
ブナ坂からの上段の巻き道が通れたので七ツ石山には上らずに済んで七ツ石小屋へ向かう。

七ツ石山に向かう道で

七ツ石山の下段の巻き道は通行止め

七ツ石小屋

富士の見える山小屋 七ツ石小屋

テントの中から山並みが見える

テントと富士山
夕焼けと富士山

到着したら意外にももう一張りテントがある。
ぼくのテントは張り綱で引っ張ってペグダウンしないと立ち上がらないし、前室のポールを立てる張り綱も必要でスペースを取るので、設営場所に苦労する。
いつもの通り、テント設営、プロテインシェイク、ストレッチ、夕食、ジャーナル書きをして20:00就寝。
日が暮れてすぐには白鳥座とカシオペア座が見えて、寝る前にトイレに行くと四角形のペガサス座が見える。

テントの中はこんなゴチャゴチャな感じで夜を迎えます。
ヘッドランプはプレゼントのモンベルミニヘッドランプ。

夜は寒くて、地面がやや左に傾いているので寝返りごとにずれを修正しなければならず、ときどき目が覚める。
マットはサーマレスト プロライトXSを使っているけど、同じくサーマレストのZライトソルSに変えれば暖かいうえに寝やすいのは分かっている。でも、ザックの外につけなければいけないので邪魔になる。
今度はプロライトXSとエバニューFPmat110を重ねて試してみるか。

⚫︎3日目
シュラフとシュラフカバーで頭をおおわれているせいでアラームが聞こえず、3:30起床の予定が4:00起床。
午後から雨の予報なので6:30出発、11:30水根着の予定を組んでいたが、 朝食をしているとテントをたたく雨粒の音が・・・マジか。もう降るんかい!
起きたときは雲は切れていて星も見えたのに、もう空は雲しか見えず、ガスで見通しも悪い。
雨は上がったり、降ったりを繰り返しているので、水根まで歩くのはあきらめて鴨沢にまっすぐ下りてバスで水根まで移動することに決める。
パッキングを終えてさあテントの外に荷物を出そうというときに雨がザーッと降ってくる。
ぼくの悪い癖で天気を呪ってああだこうだと考えるせいで、パッキングと撤収作業が遅れる。
だいたい、テントの外に荷物を出さなきゃいけないのに、外は雨で下はドロドロってどういうことなのか。
考えてもしょうがないことを考えているとドンドン時間が過ぎていく。
覚悟を決めて、レインカバーを付けたザックを外に出して、濡れそうなものをレインジャケットのポケットに入れて外に出る。
そうだ、ザックを流しの屋根があるところに置こう。だんだん頭が働きだした。

流しの屋根の下にザックを置く

ぼくのテント撤収後。
緑のテントの手前のやや土が乾いたスペースにテントを張っていた。

ドンドン雨が強くなる中テントをビニール袋に入れてザックにしまって出発。
雨の中での撤収なのに6:40出発はぼくにしては上出来。
歩き出すと雨が止む。
どうしてテントがびしょ濡れになるようなタイミングで雨が降るのか。 テントが重くなっちゃうじゃん!

この地図の下段の巻き道が通行不能。

下ってくると紅葉が少しずつ見られるように

しばらく下っていくと、女性が一人追い付いてくる。
七ツ石小屋の隣のテントの人でビックリ!
ぼくが出るときはまだテントがあったのに、あれから撤収して、追いついてくるなんて。
「では、バス停で~!」とか言い残して先に行ってしまった。
テント泊なのにザックも小さく(35リットルくらいにしか見えない)、作業も早く、歩くのも速い。
完全にぼくの負け。
鴨沢のバス停に到着する直前から小雨だった雨が本降りになる。
9:15バス停到着。バスは9:30出発予定。
雨もバスのタイミングも完璧だ。

雲取山登山口に到着

小袖乗越しの村営駐車場。
以前より広くなって、トイレもきれい。

奥多摩湖に到着。
手前に見える建物の前側が鴨沢のバス停。

登山道がバス停が近づくにつれて、登山者が1人、2人と上ってきてすれ違った。
数えてみると村営駐車場にいた人も入れて11人。
バス停ではバスから降りたばかりでレインウェアを着ている登山者が7~8人。
合計20人近くの登山者がこれから雲取山に向けて上っていくわけだ。
荷物からすると泊まりの人がほとんど。
平日で雨なのに、さらに翌日も雨予報なのに今数えただけでこの人数。
鴨沢おそるべし。超人気コースなんだね!
先ほどの女性によるとほかの登山道が台風の影響で通れなくなっているコースが多い中、鴨沢~雲取山は登山道が大丈夫なので登山者が集中しているらしい。
ちょうど本降りになった雨の中をこれから2日間歩く登山者たちを見て、
「モチベーション高いなぁ。ちょっと降られて天気を呪ってる場合じゃないなぁ。」
と思うのでした。

車に乗ってからの紅葉がきれいでした。

バスは乗りなれている路線じゃないと簡単に乗り過ごすので、バスの正面の次のバス停表示やアナウンスに気をつけていると、小河内ダムが見えてそろそろ水根だとわかる。
ところが、ぜんぜんバス停の表示にも「水根」が表示されないしアナウンスも流れない。
「やばい、どう見てもここは水根だ!」
下をのぞき込むと駐車場にぼくのアルファードが見える。
あわてて「次降ります」ボタンを押す。
「水根でいいですか?」と運転手さん。
「はい、水根でお願いします!」とぼく。
「やあ~、ごめん、ごめん」と運転手さん。
ごめん、ごめんじゃないよ~。
これはテストか何かなのか。
きっと、神様がご覧になっていて、
(1)天気を呪うかどうか
(2)案内がなくてもちゃんとバス停で降りられるかどうか
ぼくをテストしていたに違いない。
最初のテストは不合格で、今回は合格。
これからは、変えられないことを呪うのはやめようと思う。

⚫︎ 膝と体調について
(スケジュール)
今回のテント泊ハイキングは、今年の4月から右ひざの治療を始めて、徐々に負荷を上げて膝を慣らしていくスケジュールに従ったもの:
7月中旬~自転車の長距離練習
9月~自転車の山岳練習と日帰りハイキング
10月~自転車のキャンプツーリング
11月~テント泊ハイキング
(インソール)
「ハイキング・ハンドブック」の著者、村上宣寛氏のアドバイスで、O脚の場合はインソールの外側を厚くするといいというので(Facebookでこんなアドバイスが個人的にもらえるなんてありがたい!)、今回のスポルティバ・トランゴSエボのインソール裏の外側に2mm厚の銀マットを張り付けてみた。
調子よさそうなので継続して様子を見る。
(右膝の調子)
少し内足気味に内転筋を使うようにして意識して荷重をかけているので、少しだけ痛みを感じるが大したことはない。
11か月ぶりに17kgの荷物を背負ったにしては上出来。
(体調)
3日目は疲れがたまっていた。
重い荷物を久しぶりに背負うと楽に呼吸ができなくなる。
体幹と肩の筋肉、横隔膜(の筋肉)が衰えているせいだ。
これからは、ウエイトトレーニングを最低週1回とマリコの散歩のときにペットボトルに水を入れて重くしたザックを背負うことにする。
体脂肪は、今回の2泊3日で10.7%→8.9%になり2.2%も下がった。
今までで最低かも。

⚫︎教訓
1.ヘッドランプは同じ電池を使うタイプを2つ持つこと。
2.地下足袋は足の使い方の矯正に役立つ。膝痛対策に試す価値あり。
3.神様が見ているので「自分に変えられないこと」をうじうじ考えたりせず、呪ったりしないこと。

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